朝、駅から会社に向かう足がどんどん重くなる。挨拶しても返ってこない。自分だけ飲み会の連絡が回ってこない。会議で発言すると、あの先輩が鼻で笑う。😔
「これくらい、どこの会社でもあるでしょ」と自分に言い聞かせて、もう何年も我慢している人は少なくないと思う。
この記事を書くきっかけになったのは、日本に15年以上住んでいる人が海外の掲示板に書いた投稿だった。転職して1ヶ月ほどで、何人もの同僚から「10年以上一緒に働いている人たちから、言葉でも体でもいじめられている」と打ち明けられた。でも、誰ひとり上司には言っていない。みんな、会社に行くのが怖くなっている。
外から来た人には、それが不思議に見える。でも中にいる僕らには、正直わかってしまうところもあるよね。

ひどい状況なのに、なぜ何年も誰も報告しないのか。
僕が見てきた範囲では、みんなが無関心だからじゃない。声を上げるコストだけが、やたらリアルに感じられるからだと思う。
ひとつの会社に長く勤める人が多いと、いじめてくる相手は「来年にはいなくなる人」じゃない。この先ずっと先輩かもしれない。報告することが、自分の唯一の職場を壊すことのように感じてしまう。
それに、「和を乱した人」扱いされる怖さもある。訴えた側が浮いて、傷つけている側はそのまま席に座っている。上司がその人と仲が良かったり、上司本人が加害側だったりすることもある。
だから耐える。そして耐えているうちに、だんだんその職場の評価が、自分の価値そのもののように思えてくる。ここが一番危ないところなんだよね。
職場全体を味方にする必要はない。必要なのは、本当のことを話せる人が一人か二人いること。
同じ部署じゃなくてもいい。別のフロアの同期、前に親切にしてくれた他部署の人、もう辞めた元同僚。直接の利害関係が薄い人ほど、落ち着いて話を聞いてくれることが多い。
いきなり全部話さなくて大丈夫。最初はこんな感じで十分だと思う。
「最近ちょっと職場のことで悩んでて。今度、少しだけ話を聞いてもらえたらうれしいです」
「〇〇さんにだけ相談したいことがあるんだけど、10分くらいお茶できない?」
逆に、同僚から打ち明けられた側なら、すぐに「報告しなよ!」「なんで辞めないの?」と言いたくなる。でもそれは、善意でも責められているように聞こえることがある。まずは信じること。そして、本人がどうしたいのかを聞くこと。
「話してくれてありがとう。それは普通のことじゃないし、あなたのせいじゃないよ」
「どうしたいか、決めるのはあなたでいいからね。私にできることがあったら言って」
信じてもらえるだけで、半分は救われる。周りがみんな何事もないように振る舞っていると、人は自分の記憶さえ疑い始めるから。
つらいときほど、記憶はあいまいになりやすい。だから、あったことをその日のうちにメモしておくのがおすすめ。
スマホのメモでも手帳でもいい。会社のパソコンや社用アカウントではなく、自分だけが見られる場所に残しておくと安心。もし誰かが目撃してくれたなら、その人にもメモを残してもらえると心強い。
記録は、今すぐ何かを訴えるためだけのものじゃない。「やっぱり、あれはおかしかった」と自分で確かめられる、自分を疑わないための記録でもあるんだよね。✍️

社内で言うのが無理だと感じても、出口はひとつじゃない。
日本では、職場のパワーハラスメントについて、事業主に防止措置を取ることが法律で義務づけられている。大企業は2020年から、中小企業は2022年から。相談窓口を設けることや、相談したことを理由に不利益な扱いをしないことも含まれている。実際にうまく機能しているかは会社によるけれど、少なくとも直属の上司とは別の相談ルートがあるはずだ。
会社の外では、各都道府県の労働局や労働基準監督署に「総合労働相談コーナー」があって、ハラスメントを含む職場の悩みを無料で相談できる。一人でも入れる労働組合(ユニオン)という選択肢もある。そして、殴られた、突き飛ばされたといった暴力は「社内の人間関係の問題」ではなく、警察に相談していいことだ。
窓口の受付時間や対応内容は変わることもあるので、利用する前に公式サイトで最新の情報を確認してね。
どれも、今日すぐ使わなくていい。出口を知っているだけで、息がしやすくなる。それだけで、明日の朝が少し軽くなることもある。
社会人になった子どもや、パートナーの様子がおかしい。そう感じて心配している家族もいると思う。
そんなときも、「早く辞めなさい」「我慢が足りない」と結論を先に出すより、まずは話を聞くことから。本人は、家族に心配をかけたくなくて黙っていることも多い。
「最近疲れてるみたいだけど、仕事どう?話したくなったらいつでも聞くよ」
答えがすぐ返ってこなくても大丈夫。「ここなら話していい」と伝わることに意味がある。眠れない、食べられないといった状態が続くなら、医療機関や相談窓口につなぐことも一緒に考えてみてほしい。
僕がずっと感じているパターンがある。職場のいじめで一番追い詰められるのは、人間関係のほとんどが会社の中にある人なんだよね。
友達は同僚。夜は会社の飲み会。週末は平日の疲れを取るだけで終わる。そういう毎日だと、一人の意地悪な先輩が、生活のすべてを曇らせてしまう。役職や先週のミスと関係なく、ただの「自分」でいられる場所が、他にどこにもないから。
会社の外の人は、肩書き抜きの自分を見てくれる。上司に会ったこともない友達なら、社内の空気を気にせず「それはおかしいよ」と言ってくれる。その一言が、行動する勇気につながることも多い。

いじめられている本人にとっても、話を聞いている側にとっても、仕事とまったく関係のない人間関係を持つことは、自分を守る大きな力になる。報告や相談の代わりではなく、これからどうするかを考えるための足場として。
ランニングサークル、地域のボランティア、趣味の教室、語学の交換相手、遠くに住んでいてときどきメッセージを送り合う友達。大きな輪じゃなくていい。仕事の肩書きを知らない人が二、三人いるだけで、つらい一週間の感じ方はかなり変わる。
最初の一歩は、こんな軽いメッセージでもいい。
「はじめまして!週末に近くを散歩したり、カフェで話したりできる友達を探しています。よかったらお話ししませんか?」
「〇〇が好きなんですね、僕もです。おすすめがあったら教えてください!」
職場の評価は、あなたの価値じゃない。それを思い出させてくれるのは、たいてい会社の外にいる誰かだと思う。🌱

僕らがSewaYouをつくった理由のひとつも、ここにある。SewaYouは、地図から友達を探せるアプリ。近所に住んでいる人とも、世界のどこかにいる人ともつながれる。近くの人と週末に散歩をしてもいいし、海外の人とオンラインで長く友達でいてもいいし、旅行の前に行き先の街の人と知り合っておくこともできる。
スワイプは必要なし。地図を眺めて、フィルターで条件をしぼって、気になるプロフィールがあったらメッセージを送るだけ。実際に会っても、オンラインで話すだけでもいい。会社を通らない人間関係を、自分のペースで少しずつ増やしていける。なお、SewaYouは大人向けのサービスで、知らない人と会うときは人の多い場所を選ぶなど、自分の安全を第一にしてね。
職場で居場所がないと感じていても、それはあなたの居場所がどこにもないという意味じゃない。味方を一人見つけて、事実を残して、相談先を知っておく。そして、会社の外にも話せる人を持っておく。今週、SewaYouで地図を開いて、職場とは関係のない誰かに「はじめまして」を送ってみない?😊