海外の、あるいは外資系の職場で働き始めて数ヶ月。多くの日本人がハマる、特有のループがある。上司の一言が刺さって、そのまま流せずに、帰りの電車でずっと反芻してしまうやつだ。あれ、キツすぎ?海外の職場ってこういうもの?それとも…私がダメなだけ? 🌀
味わったことがあるはずだ。会議で自分が出した案に「I don't think that works」とバッサリ。日本なら「なるほど、ただ…」とワンクッション置いてくれたり、事前に根回しして人前で恥をかかせないよう気を遣ってくれたのに、ここではみんなの前で真正面から否定される。1on1で上司に聞かれる。「で、君はどうなりたいの?何がしたい?何が必要?」…固まる。日本では、自分から「これがやりたい」と手を挙げる=出しゃばり、だった。黙って結果を出せば、いつか誰かが見てくれる。そう思っていた。でも黙っていたら「やる気がない」と受け取られる。
そして、手取り足取りは教えてくれない。「わからなかったら聞いて」と言われる。でも日本では、聞く前に先輩が察して教えてくれた。自分から聞かないと放置される。その放置が、だんだん自分の能力不足の証拠に思えてくる。こういう日々の帰り道、あなたは自分の言った一言一言を疑い始める。打たれ弱いからじゃない。ただ、これが「海外の普通の働き方」なのか、その皮をかぶった「単に面倒な人」なのか、本当に見分けがつかないからだ。

正直に言うと、ほとんどのアドバイスが飛ばす部分がある。あなたが感じる違和感の一部は、本物の文化の差だ。そして、それは読めるようになった方がいい。
欧米や外資系の職場では、フィードバックは直球になりがちだ。「ここがダメ」とストレートに言うのは、あなたを否定してるんじゃなくて、「言葉にしないと伝わらない」という前提で動いているから。日本の「察する」「空気を読む」が通じない世界だから、全部を言葉に乗せる。会議で真っ向から反対するのも、あなた個人を攻撃してるんじゃなくて、アイデアと人を切り離して議論する文化だったりする。「で、何がしたいの?」も、試してるんじゃなくて、本気で君の希望を知りたいだけだったりする。
だから、そう。あなたの混乱の一部は本物の文化で、そこに慣れることは本当に役に立つ。でも、それで全部を飲み込ませないでほしい。取引先に平気で失礼な態度を取る。フロア全体が張り詰めていて、みんな何か言うのを怖がっている。どう答えても正解にならない質問を投げてくる。努力を一度も認めない。それは、国民性でも文化でもない。ダメな上司は、文化じゃない。
この二つは、同時に成り立つ。全部を「まあ海外だから」で片付けるのは、他人の振る舞いのせいで自分を責める、いちばん危険な近道だ。
この問いがずっと胸に居座るのは、あなたの判断力が足りないからじゃない。問題は、あなたがサンプル数、たった一人の状態で戦っていることだ。
海外に出たばかりだと、この上司が、人生で初めての「海外の上司」だったりする。比べる基準がない。二つ目のデータがない。「あの人、みんなにあんな感じ?それとも私だけ?」と気軽に聞ける同僚もいない。
そうなると、脳は情報の穴を、手元にある最悪の答えで埋める。たいていそれは「やっぱり私が悪いんだ」のバリエーションだ。孤立って、ただ寂しいだけじゃない。状況を冷静に判断するために本当に必要なもの、つまり「他人の視点」を、静かに奪っていく。

このループから抜け出す一番速い方法は、拍子抜けするほどシンプルだ。「わかってる人」に、話す。
海外で何社か渡り歩いてきた日本人の先輩なら、あなたの話を聞いて一言で言ってくれる。「あー、その直球のダメ出しはこっちだと普通だよ。気にしすぎ」とか、逆に「いや、それはさすがにおかしい。うちの会社じゃありえない」とか。現地の友達なら、文化のレイヤーを翻訳してくれる。「会議でストレートに反対されるのは普通、むしろ議論に参加してる証拠。ただし、あの言い方はこっちでも失礼な部類だよ」みたいに、暗黙のルールを一つずつ解読してくれる。
これが、一人では絶対に作れない物差しだ。正しい相手とのコーヒー一杯が、三週間眠れずに悩むより効く。問題は、まさにこの状況にいる人ほど、聞ける相手がいないこと。社交の世界がストレスの元凶であるオフィスと丸かぶりで、耳に入る声が、全部そのプレッシャーの内側からのものになってしまう。

孤立には、もう一つの働きがある。もっと静かだけど、同じくらい効いてくる。仕事が人生の全部になると、上司の一撃が、毎回フルパワーで刺さる。他に体重を預けられる場所が、どこにもないからだ。
あの「速い同僚」と比べられる一言が、ただムカつくで済まなくなって、その週の気分を丸ごと支配する。でも、建物の外に生活を作ると、仕事は本来のサイズに縮む。視点が手に入るし、選択肢も手に入る。他に居場所があると知っているだけで、「この上司が自分の未来を全部握っている」という感覚が消えていく。建物の外に、もう一つの居場所を。
そして、逃げ場がないという感覚が消えた瞬間、不安はふっと緩む。キツい上司も、人生の唯一の構造じゃなくなれば、ずっと扱いやすくなるから。

ここで、励ましを「実際に使えるもの」に変えないといけない。「わかってくれる人に話しなよ」なんて、そういう人が一人も思い浮かばないなら、何の役にも立たないから。まさにその穴を埋めるために作られたのが SewaYou だ。地図ベースのアプリで、今いる街の近くにいる「リアルな人」を見せてくれる。海外の職場で同じ思いをしてきた日本人や外国人、そして新しい出会いに本気でオープンな現地の人たち。世界中の人ともつながれるけれど、ここでは自分の街に地図を合わせて、コーヒー一杯のために会える距離の人を探してみてほしい。
真夜中に自分の部屋で一人、「この上司はヤバいのか、普通なのか」を決めなくていい。文化も職場もわかっている人を、一人か二人、自分の側につけよう。そうすれば、この重くて答えの出ない問いを、一人で抱え込む必要はなくなる。SewaYou は、その輪を、正直な会話ひとつずつ作っていく場所だ。😌